科学の研究

炭は燃えカスに見えるのになぜ燃える?
バーベキューやキャンプ、
登山といったアウトドアレジャーを楽しむ人は火の起こし方も手馴れているだろう。
気の合う仲間と囲む焚き火はなんとも気分の良いものだ。
アウトドア好きな方にそれぞれ一家言あるのが、焚き火の起こし方。人によって細かい手順が異なり、まきの組み方も違う。
こだわりや薀蓄を交わしながら火をおこすのもアウトドアの醍醐味だ。
ところで、焚き火が終わって炭と灰を片付けているときに次のような疑問を持ったコトはないだろうか。
「この燃え残りの炭はまた使えるのか?」「市販の木炭と、この燃え残りの炭はどう違うのだろう?」「木炭は燃えカスに見えるのに何で燃えるんだろう?」
帰りの車の中でこんなことに心を奪われていては会話も弾まない。では上記のような木炭のナゾはどういうことなのだろうか。
市販の木炭と、まきを燃やした後の炭を比べてみると、違いがあることに気づく。それは硬さ、すなわち密度の差である。木炭は硬く引き締まっており、
ぶつけ合わせるとカンカンと澄んだ音がする。対して使用済みのほうは、簡単にぼろぼろと崩れてしまい、とてももろい。
こうした性質の違いは、含まれる炭素の量に由来する。炭素は燃料の主成分となる物質。石油や石炭も炭素を多量に含んでいる。
炭素は酸素と結びついて燃焼し、二酸化炭素となり放出される。燃え残りの炭は炭素が消費されて空洞化した残りカスなのだ。
なので、この炭は燃料としてはもうほとんど使いものにならない。
対して燃料用の木炭はどうか。 見かけに反し、これは木を燃やして作るものではない。「蒸し焼き」にするのである。
具体的には、樫やナラ、マツなどの木を酸素を遮断した状態で、外部から熱だけを加えることによって、木に含まれる水分や微量なガスを除いていく。 後に残るのは、ほとんど純粋な炭素、というわけだ。
木炭の製造原理は基本的には同じだが、その手間のかけ方や素材の吟味などで品質は大きく変わってくる。手間と時間をかけた方法では完成までに1週間以上かかる。「ブランド物」の木炭の値が張るのも無理はないのだ。
自然へのローインパクトということで、キャンプ場など以外での焚き火は否定的な風潮が根強い。 しかし、私の伯父が茸を栽培している群馬の超山奥には、「焚き火は十分に注意を払って行ってください」という看板がある。この姿勢には大変粋なものを感じる。
大人数で派手にやるキャンプファイア
も良いが、ごく少人数で行う「パーソナルファイア」も趣がある。 小さな焚き火をうまく使うコツは、少ないまきを効率的に燃焼させることだ。大量のまきを投入せず、なるべく早く熾き火(炎が出ず、炭が真っ赤になっている状態)の状態に持っていく。そうすれば以外に手軽に焚き火料理が楽しめるのだ。
今度バーベキューを行う際には、鉄板や焼き網を使わないワイルドな料理に挑戦してみることをお勧めしたい。
「夏には怪談」は科学的根拠があった!
蚊取り線香が大量にホームセンターに並び、テレビではビールのCMがしつこいほどに流れる季節になると、各局はこぞってあるテーマの番組を作る。
そう、怪談モノだ。
やれ心霊スポットだの各国のミステリーだの都市伝説だのと、毎年飽きもせずにコワーイお話が紹介されるのである。
といっても、これは別に最近始まった現象ではない。日本は恐らく江戸時代以前から、夏には怪談話に花を咲かせて涼をとる、という文化を発達させてきた。
コワイ話を聞いたときのあの背筋がゾクゾクとくるのがたまらないというわけだが、はたと考えてみるとこれには科学的根拠があるのだろうか。
つまり、怖い話を聞いたり見たりすると本当に涼しくなるのだろうか?
ここに、興味深いデータがある。
アメリカの大学が行なった実験で、20人の健康なボランティアに楽しいコメディ映画と怖いホラー映画の両方を見せて、その後の血流の変化を循環器系の指標を用いて測定するというもの。
それによると、楽しい映画で笑ったあとは血流量が22%も増え、怖い映画の後はなんと35%も減る、という結果が得られた。
実はこれは「笑い」が健康に良いということを証明するために行われた調査なのだが、対比のためにホラー映画のデータも取っている。ホラー映画を見ると35%も血流量が減るという。これは涼しさと関係があるだろうか。
人間は暑さを感じると、体内の熱を放出するために血管を拡張して、血液の循環を活発にする。もちろんこれは理にかなったメカニズムだ。しかし、日本のように蒸し暑い気候だと、放出された熱は体の周りにとどまってしまい、余計に暑さを感じてしまう。そこで、怖い話を聞くとどうなるか。血流量が減って、体の表面の温度が下がり、汗の量も減る。こうしたわけで、涼しさを感じることができるのだ。
つまり、夏に怪談話をすると涼しくなる、というのは科学的な根拠があることだといえる。
とはいえ、裏を返せば血液の流れをわざと悪くする、ということでもある。これは健康には控えめに言っても良いものではない。また精神衛生上でも悪い影響を及ぼしかねないし、面白半分に見た番組や本が後々トラウマを残すことだってある。
個人的には、ウチワを使いながらスイカを食べ、お笑い番組でも見て大いに血行を良くして頂きたいと思うものである。
「水には色がない」は間違い!
透明なものの代名詞、キングオブクリアといえばやはり水だろう。辞書で「水」の項をひくと、「無色、無臭、透明の液体」という意味のことが書いてあるはずだ。 純粋な水が透明であり、なんら色がついていないというのは自明のことである。
だが、この際はっきりいってしまえば、水には色がある。ごく薄い「青」なのだ。そう言えるわけをこれから説明しよう。
まず、「色がない」とはどういうことだろう。 私達の身の回りにある色がついている物は、太陽や電灯からの光を反射したり吸収したりする性質がある。その物質から発せられたどんな周波数の光が目に届くか、ということで色が決まる。 例えば、植物の葉緑素は、赤成分の光を吸収し、緑と黄色の周波数の光を反射する。このため我々の眼には緑色に見えるわけだ。
逆に、光の吸収や反射あるいは屈折を完全に抑えてしまえば、その物質は見えない。 色がない透明な物質は、そうした光の干渉が極めて小さいという性質を持っている、といえるだろう。
さて、水には色素、つまり特別な波長の光を反射させる物質は含まれていない。水は水素原子が二つに酸素原子一つが結合した構造をしており、一見すると色の介在する余地はない。
だが、実は水には赤色の光をわずかに吸収する性質がある。
水の分子はマイクロ波から赤外線にかけての不可視領域の光をよく吸収する特性を持つ。電子レンジで水分を含んだ食品を温めることができるのは、このマイクロ波を吸収する性質を利用したものだ。
水分子は可視領域の光はほとんど吸収しないのだが、赤外線に極めて近い赤色、700nm(ナノメートル)付近の光をわずかながら吸収する。
これにより、人間の目には赤色が弱められた光、すなわち相対的に青が強調された光として認識されることになる。
もちろん、コップ一杯ほどの水では青色をしているとは思えないだろう。しかし水深が2メートルもある場所ならば、水の色をはっきりと認識できる。
海が青い理由も色々言われるが、要するに「水が青いから」なのである。太陽光のうち赤い光が水に吸収され、青い光だけが通過して海中を進み、人間の目に届くというわけだ。
これで海水浴に行っても、海の青い理由などもう気にすることなく、思いっ切り遊ぶことができるだろう。
−そんなこと元から気にしちゃいないなどと、悲しいことを言わないでもらいたいものである。
参考:愛媛総合科学博物館-青い色のはなし ひとくちメモ「水の色」
キリヤ化学-海が青く見えるのはなぜですか?
ゆで卵の「硫黄っぽい匂い」の正体

硫黄が含まれる温泉の匂いとゆで卵の匂いはよく似ている、と多くの人が気付いている。
といっても、ゆで卵の一種である「温泉卵」は温泉の名を冠しているのに温泉っぽい匂いはしない。時間をかけて固めにゆでた時にあの独特の匂いがするのだ。
実を言うと、硫黄を含む温泉の匂いとゆで卵の匂いが似ている、というか同じなのは当然なのだ。なにしろ、匂いの原因が同じ、すなわち硫化水素によるものだからである。
よく誤解されていることだが、硫黄は無味無臭の物質であり、匂いはない。だが、水素と結びついて「硫化水素」になったとき、あの独特の腐卵臭を発するようになるのだ。
硫黄は加熱されると化学反応を起こしやすくなる性質がある。このため温かい温泉地帯では、最も一般的な硫化物(硫黄と他の元素が結びついた物質)である硫化水素が頻繁に発生するようになる。このために硫黄の匂いは卵の腐った匂い、と錯覚されるようになったわけだ。
ところで、硫黄は火山の噴出口などに広く存在する物質だ。温泉は火山地帯に多いため、温泉で匂いがするのは理解できる。でも、卵に硫黄が含まれているというのは首を傾げてしまうのではないだろうか?
卵の主成分はもちろんタンパク質だ。そしてタンパク質は特殊な分子結合であるアミノ酸で構成されている。卵の白身に含まれるアミノ酸には、重要な栄養素である「メチオニン」というものがあるが、これが硫黄原子を含んだ物質なのだ。
卵が持つ硫黄を含んだアミノ酸には他にもシスチンというものがある。つまり、卵にはもともと硫黄が含まれているのである。もちろんその量はごくわずかで、0.2%ほどしか含まれていない。卵の95%は水分とタンパク質、それに脂肪分で占められている。
硫黄は加熱すると反応しやすいということは前述した。よく熱した固ゆで卵は匂いがするのに、温泉卵は匂わない理由もお分かりだろう。温泉卵は低温でゆでるため、硫化水素が発生するほどの熱が加えられなかったのだ。 ちなみに、固ゆで卵は白身と黄身の境界が黒ずんでくることがあるが、これは卵に含まれた硫黄と鉄が反応して硫化鉄になったためである。
ゆで卵は、硫化水素の匂いを堪能しつつ、温泉気分に浸ることのできる、実に贅沢な料理だったのである。
「光」の正体は?

かの大詩人、ゲーテの最後の言葉は「もっと光を!」だったという話がある。 まあ、単に部屋が暗かったのだという説や、そもそも何も言わずに逝ったのだという説もあるが、これはなかなかの名言である。
光がなければものを見ることも出来ないし、そもそも私たちは誰一人として生きていけない。
しかし、それほど重要な「光」なのに、実体を正しく把握するのは極めて難しい。 科学者でも完全に光の性質を理解してるとはいえないのである。 そう、光といいながら、正体は闇に包まれているといっても言い過ぎではないのだ。
だが、それでも科学者たちの「もっと光を!」というたゆみない努力により、光の性質は少しずつ明かされてきた。 そしてそれは、私たちの常識からすればとんでもない特性を持つ、ということが分かってきた。
ではそもそも、「光」とはなんだろうか。
光は、電磁放射の一形態のうち、人間の目に感知できるもの、と定義される。
電磁放射とは、例えば電波、また電子レンジに使われるマイクロ波、レントゲンのX線、更に赤外線や紫外線も含まれる。そして、このうち目に見えるものを光と呼んでいるわけである。
現在の解釈では、光は波と粒子の両方の性質を持つ、という見方が一般的だ。 あるときは波として、あるときは粒子としての振る舞いを見せると考えられている。
また、光には質量がないとされている。確かに存在し、エネルギーを持つのに質量がない。これも興味深い特性である。
そして光の性質として絶対的な法則がいくつか存在する。
その一つが「光速度不変の原理」である。これは、光は真空中では、いついかなるときでも一定の速度で進む、ということ。その速度とは、秒速29万9792.458万メートル。つまり秒速約30万キロメートルである。
時速50キロで走る車から、30キロのスピードで前方にボールを投げたとしよう。するとボールの速度は50+30で80キロになる。 ところが、光はこの計算が成り立たない。時速1万キロのロケットから光を発射しても、1万+光の速さとはならず、光は依然として秒速30万キロで進むのである。もちろん、これは進行方向と逆向きに光を発射しても同じことだ。
ちなみに、この「光速度は常に一定」という原理こそが、相対性理論のマスターキーとなってくるのである。
もう一つの光の基本原理。それは、「いかなるものも光の速度を超えられない※」ということ。
ロケットをどんなに加速したとしても、絶対に光の速さは超えられない。加速すればするほど、重くなってしまうからである。この辺のことは相対性理論が大いに関係してくる問題である。
上に挙げたものは光の持つ性質のごく一部に過ぎない。 この世界は難しいけれど面白く、奥が深い。
光の正体が完全解明される日が一日も早く来ることを期待したい。
※光の速度を超える性質を持つものは理論上は予言されている。だがそれは光の速度以下になることが出来ないという、理解に苦しむ特性である。
麻酔の考案者の皮肉な最後

現在、手術や治療において欠かすことの出来ない技術のひとつが麻酔術である。麻酔がなかった時代は、簡単な手術でも患者に多大な負担とストレスを与えるものだった。
麻酔の歴史は、俗に笑気ガスと呼ばれる亜酸化窒素の発見まで遡る。
イギリスの科学者ハンフリー・デービーが1800年頃この物質を発見したが、麻酔として使われるのは40年ほど経ってからのことである。
19世紀当時、エーテルや笑気ガスを吸って楽しむ、なにやら危ない「笑気ガスパーティ」が流行していた。これに出席していたアメリカ人歯科医のホレス・ウェルズは、笑気ガスを吸っていた男性が足を怪我しても痛がる様子がないのに気付いた。そこでこのガスを歯の治療に応用したのである。
この治療が評判になって彼のところには患者が殺到するようになる。麻酔時代の幕開けである。
それからウェルズは様々な麻酔の研究をするようになるが、あるときクロロホルム中毒にかかってしまう。クロロホルムといえば推理モノでおなじみの、即効性の高い麻酔だが、毒性があり発がん性もある。そのため現在では特別な用途をのぞき医療では使われていない。
そしてウェルズはクロロホルム中毒が原因で自殺してしまうのだが、その方法が麻酔をかけた上血管を切るという、なんとも皮肉なものだった。
麻酔の考案者は麻酔によって成功し、麻酔によって堕落し、麻酔によって命を絶つことになったのである。
麻酔は痛みを和らげてくれるとはいえ、感覚をなくしてしまうのだから不自然な存在には違いない。使用には十分の注意をもって臨んでいただきたい。
大怪我の直後は痛くないのはなぜ?


誰だって怪我をすれば痛い。指にとげが刺さっても痛いのだから、大怪我すれば油汗を流すような痛みに襲われることも少なくない。
だがまれに、怪我の直後が思ったよりも痛くない、という経験をしたことはないだろうか。 それも多くは、急いでいるときに転んだとか、スポーツをしているときに事故がおきた、といった興奮状態にあるときだ。 画鋲を踏んだり寝ぼけてベッドから落ちたりといった状況では痛みの軽減は感じられない。この違いはどこから来るのだろうか?
痛みを軽減する物質といえば、モルヒネが有名だ。モルヒネは麻薬であるアヘンにも多く含まれており、中毒性があるが、麻酔や鎮痛剤として医薬には欠かせない。
そして実は、このモルヒネと同じような働きをする神経伝達物質が脳内にはあるのだ。
それが「エンドルフィン」である。エンドルフィンは分子構造の一部がモルヒネと共通しており、鎮痛作用、また快楽作用がある。 この物質はα、β、γの三種類が知られているが、このうちβエンドルフィンはモルヒネの6倍もの鎮痛効果があるという。つまり、天然の麻薬なのである。
そして、エンドルフィンが分泌される状況はといえば、マラソンのように筋肉を激しく動かす運動のときや怪我をして興奮状態にあるときなのだ。 だから、運動中に怪我をしてもそれほど痛みは感じないのである。 その代わり、エンドルフィンが切れた試合後には多大な苦痛を味わうことになるのだが。
マラソン選手は一定の境地に達すると苦しさを通り越して一種の恍惚感を味わうようになるという。ランナーズ・ハイと呼ばれる現象だが、これはエンドルフィンが作用している効果の一例だ。
またエンドルフィンは出産のときにも分泌され、痛みを和らげている。普段意識することはあまりないが、様々なところでお世話になっている物質なのである。
映画や漫画ではボロボロの登場人物が大立ち回りを演じる場面がよくあり、なんでこんなに傷だらけなのに動けるのだといぶかしく思う事も多いが、これもエンドルフィンが分泌されている結果だと思えば納得だ。映画を見るときは、「ここでエンドルフィンが出てるんだな」と分析しながら見ると楽しみが広がるかもしれない。
「水は0℃で凍る」は間違い?


水が0℃の時凍る、というのは小学校で習う常識だ。なにしろ、水が凍り始める温度を「0℃」と定義したのだから、これは揺るぎない事実、 のはずである。
ところが、実は水が−10℃で凍らない場合もある、といったらどうだろうか。「なにか薬品でも入ってるんじゃないの?」と思うかも知れないが、そんなことは全くない。 完全に純粋な水を液体のまま、−25℃くらいまで冷やすことは実験室でなくても簡単にできるのである。
種明かしをすると、このとき水は「過冷却」と呼ばれる状態になっているのだ。 「過冷却」とは、液体が凝固点以下、気体は沸点以下に冷却されても元の状態を保ち続ける現象のこと。水に限らず多くの液体が過冷却現象を起こすことが知られている。気象に関していえば、雲の中の水分が氷点下以下の温度になっても、氷の結晶とならずに水の状態のまま存在していることがある。極端な例では、雲の中の水分が−40℃程度までも過冷却されることがあるのだ。
では過冷却状態になった水はずっと凍らないのかというと、そうではない。ゆすったり、氷の結晶を加えたり、またさらに冷やしたりとなんらかの刺激が与えられると凝固してしまう。過冷却の微妙な均衡が崩れてしまうためだ。 ということは、これを利用すれば何の変哲もないただの水を一瞬にして凍らせてしまうマジックができるのではないか?その通りである。ミネラルウォーターやコンタクトレンズ洗浄用の精製水を密閉した容器に入れ、充分な低温の冷凍庫でゆっくり、静かに冷やすと過冷却水ができるのだ。これをコップに注ぐと注がれてる途中やコップの中で瞬間的に凍ってしまう。まさに科学のマジックショーが楽しめるのである。
うまく作るのは結構難しいかも知れないが、挑戦する価値はあるだろう。また、スコッチやウオッカを飲むときにでも、グラスに注いだ瞬間凍るこの魔法の水を使ってみてはいかがだろうか。
メートルのあれこれ

1mの1000倍は1kmである。では、1mの10倍また100倍、つまり10mや100mのことをなんというだろうか?
これは、それぞれ1dam(デカメートル)、1hm(ヘクトメートル)と表す。漢字では「籵」「粨」と書く。右側の数字が倍数を表しているのだ。当然、キロメートルは「粁」になる。
さて、我々の生活に深く根ざしているこの「メートル法」だが、ふと考えると、1mの基準は一体なんだろうか?まさかJISマークの入った1m定規が基準というわけではあるまい。あれは基準の「レプリカ」、複製である。
メートルの起源をたどると、1790年代、フランスに行き着く。1792〜1799年間にわたり、フランスの学者たちは北極からパリを通り赤道までの子午線の距離を測定した。そして、これの一千万分の一を「1メートル」と決めたのである。 ところが、この時地球を完全な球体として計算したため、実際の距離とは誤差が生じていることが後年分かった。
そこで、白金合金製の「メートル原器」が基準となって1mが規定された。 メートル原器は白金90%、イリジウム10%で構成され、断面がX型になっているため曲げに強く、温度変化での伸縮もほとんどない。日本には「NO.22」の原器が産業技術総合研究所に今も保管されている。
しかし、技術が進んでくるとより精密な定義が必要とされ、クリプトン86同位体から発生する光の波長で定義しなおされた。
ところがこれでも不十分ということになり、現在では「光が真空中を2億9979万2458分の1秒間にすすむ距離」ということになっている。
この定義が採択されたのは1983年だが、この時まで光の速度もやや曖昧な部分があった。しかし、この定義によって光の速度も相互的に確定されることになった。
これからは是非、「この布を、光が真空中を2億9979万2458分の1秒間にすすむ距離ください」など、正確な言い方を心がけたい。もちろん、10mのことを「1デカメートル」というのもお忘れなく。 50m走は5デカメートル走、100m走は1ヘクトメートル走である。
ダイヤモンドの意外な用途

地球上で最も確い鉱石といえば、ご存知ダイヤモンドである。
モース硬度で10という硬さをほこり、美しさ、産出量、性質どれをとってもまさに宝石の王といえる。
ダイヤモンドの価値はカットに大きく左右される。代表的なのは58面にカットするブリリアン・カットと呼ばれるものだが、カットするには当然ダイヤモンドを研磨剤とした刃を使うのである。また、ダイヤモンドは硬いとはいえ方向によってはハンマーで叩くだけで割ることができる。
普通は結婚指輪やネックレス、あるいはガラス切りなどでしか目にしないダイヤモンドだが、結構意外なところで使われている。例えば、半導体素子の放熱材だ。身近な半導体素子といえば皆さんのパソコンに必ず入っているCPUだろう。これは大量の熱を発生するため、ファンを回すなどして冷却が欠かせない。このように半導体素子は熱との戦いがつきものだが、意外にもそれを解決するのにダイヤモンドが使われることがあるのだ。
これは、ダイヤモンドの「電流は通さないが熱伝導率は非常に良い」という希有な特性のため。このためダイヤモンドを触ると本物ならばひんやりとしている。イミテーション(模造品)と見分けるのにも重宝するので覚えておくと良い。
ダイヤモンドの放熱板は当然人工の物が使われる。ダイヤモンドの薄膜の上に半導体集積回路を作り、熱を効率よく逃がすのである。
また、ダイヤモンド自体を半導体として使おうという研究も進んでおり、実現すればシリコン半導体の5倍の高温動作と30倍もの高電圧化が可能とされる。
次世代半導体、また半導体放熱板として期待が高いダイヤモンド。パソコンには必ずダイヤモンドが入ってるなんていう時代がそう遠くないのかもしれない。
避雷針は雷を避けるの?引き寄せるの?


避雷針は当然雷を避けるハズ―そうでなければ困る。
だが、マンガや映画などで雷が避雷針に落ちているシーンを見たことはないだろうか。あの有名な映画「バック・トゥ・ザ・フューチャ」にも避雷針に雷が落ちる印象的な場面がある。
それに、高いものに雷が落ちやすいというのは常識ではないか。 屋上などにある、ここめがけて落ちてくださいといわんばかりの避雷針は意味があるのだろうか。 実際の所避雷針は雷を避けてくれるのか?それとも引き寄せるのか?
答えは、「避けもするし、引き寄せもする」というものだ。もっと正確にいうなら「雷を避けるが落ちた時も安全に電流を逃がす」となるだろう。そう、避雷針は実際に雷が落ちるのを防ぐのだ。でも高くにあって先が尖っているのにどうしてそんなことができるのか?
そもそも、雷がどうして起こるのか考えてみよう。 まず、雲を構成している水分子などがこすれあう際に摩擦が発生し※、+−の電気が発生する。(なぜ摩擦で電気が発生するかはまたの機会に触れることにしよう。) このように電気を帯びた雲を雷雲または積乱雲というが、高い所の雲は+、低い所は−電気を帯びている。そしてこの二つの雲、また+と−の電位差が大きい所で巨大な電流が流れる。これが雲の中で発生する雷でいわゆる稲光である。
さて、この雲が地上と干渉するとどうなるか。−の電気を帯びた雲に地上の+電気が引き寄せられて地上、とりわけ突起物の+電圧が高くなってゆく。つまり雲との電位差が大きくなる。そして両者の電圧が限界を超えると、「絶縁破壊」という現象を起こし大規模な放電が起こる。空気は電気を通さない不導体だが、電圧をどんどん高くしていくとこの現象が起きて瞬間的に電気が流れるのだ。これがつまり雷である。
ではいよいよ避雷針の謎に迫ろう。避雷針は必ず先が尖っているが、実はあの先端に秘密があるのだ。
このヘタな図は、先端面積が小さい場合と広い場合を比較したもの。
広い場合、空気中と物体との間で電位差、つまり電圧の差が大きくなる。これは放電しやすい。水をためるバケツだと思えばいい。大きいほどどんどんたまっていって、限界がくるとあふれ出る。
対して先端が狭い場合。これはいわば水をためずに流しっぱなしにしているようなもの。穴のあいたバケツというわけだ。先端面積が狭いため、+の電気がたまる暇なくすぐに−電気と中和してしまうのである。 もし避雷針の先端が球状になっていたら電気が蓄えられやすく、電位差が大きくなるので落雷の危険性は非常に高い。尖っていなければ避雷針の役を果たさないのだ。
また、もし電圧が大きくなって耐え切れなくなって落雷しても(穴のあいたバケツでも水を入れる量が多ければいつか溢れるのと同じ)地上に安全に電流を逃がすようになっている。
ちなみに避雷針は先端から下45度の角度内は雷が落ちない安全域だといわれている。
さて、ここまで避雷針の仕組みを解説してきたがお分かりになっただろうか。 勇気のある方は雷の鳴る日に尖った金属棒を持ち出して野原に立ってみて頂きたい。理論的には、雷を避けられるハズだから!?・・・(何があっても責任もちませんのであしからず)
※なぜ雲の中で電気が起こるのかはよくわかっていない。これは一つの説である。
火打石で火をつける方法

時代劇などを見ているとしばしば火打石で行灯に火をつける場面が登場する。
黒っぽい石を打ち合わせて火花を散らさせるわけだが、あの火打石とは果たしてどういった石なのだろうか。
道端に転がっている石をぶつけ合わせてみてもそんなことにはならない。 たまに、白っぽい火花が出ることもあるがあれは白熱化した石の粉だ。火打石から生まれるものとはタイプがちがう。
実は、火打石は石英なのだ。石英の純粋なものは水晶なので、石英は水晶に近いものと考えてよい。むろん石英同士を打ち合わせて火が出るわけではなく、打ち合わせるのは鉄。鉄と硬い石英をぶつけあわせることによって摩擦熱で鉄が燃焼し火花となるのだ。
百円ライターのフリント部分もこれと同じ仕組みである。つまり百円ライターに使われているのはなんのことはない火打石だったわけで、意外とレトロなアイテムなのかもしれない。
マイナス50度でも凍らない池がある!

一般的な状況下では、水は0℃で凍る。 0℃で凍らなかったら湖でワカサギ釣りができないかもしれないし、冷凍庫で氷を作るのも容易じゃない。かき氷の値段が何倍にも跳ね上がるのはほぼ確実である。
ところが、マイナス50度でも凍らない湖があるといったらどうだろうか。
それは南極ヴィクトリアランドドライバレーにあるドンファン湖。 一帯の平均気温はマイナス40度という気温にもかかわらず、凍結していないのである。
調査によると塩化カルシウム六水塩が大量に含まれている事が分かった。 この鉱物が南極大陸内で発見されたのは初めてで、南極石と命名された。
あるとき越冬隊員が訪れたときマイナス54度という低温だったにもかかわらず凍結していなかったそうで、世界でも例を見ない珍しい不凍湖なのだ。
世界には我々の常識を超えた、珍しい土地があるものだ。
※写真はドンファン湖ではない。ただの湖。
エジプトが砂漠化してしまった理由

ちょっと考えれば分かることだが、荒涼とした砂漠のイメージのエジプトがはじめから砂漠だったはずはない。誰も好き好んで砂漠なんかに住みたいとは思わないからだ。
事実、この地はかつて世界で最も豊かな農業地帯だった。 巨大なピラミッドを作る力があることからもそれがうかがえるが、皮肉なことにこのピラミッド建設がエジプト砂漠化の原因といわれている。
ピラミッドを作るには膨大な材木が必要だ。一見石ばかりでどこに木が使われているのかと思うかもしれない。確かにピラミッドそのものには木はそれほど使われていないが、道具として使ったのである。 たとえば、石を運ぶときのころやそり、斜面を築くときの土台、石を切り出すときの楔(くさび)などなど。 このように木の伐採が急激に行なわれたため森林もはげ山になり、地下水を貯める事ができなくなって砂漠化してしまったというわけだ。
ところで、あの巨大な石を切り出す方法としていくつか説がある。 まず、岩の上で木を燃やして熱し、水をかけて急激に冷やしてひびを入れて切り出すいうもの。 冷凍庫で作った氷をお湯にかけるとひびが入るが、あれと同じことだ。
もうひとつも温度差を利用したものだが、こちらは昼と夜で激しく気温が違うことを利用する。夕方に岩に水をかけておくと、夜には凍って岩が割れる。そこに木の楔を打ち込んで、ふたたび水をかける。すると木が膨らんでぱっかりと岩が割れる、というわけだ。
ほんとにできるかどうか、物好きな方は冬にでも試していただきたい。
たまねぎを切ると涙が出るのは何故か

主婦にとって、たまねぎ料理というのはできればしたくないものだといわれる。 もちろんあのツーンとくる刺激が耐えがたいからだ。 新鮮なものはそれこそゴーグルでもかけたくなるような匂いがするが、あの匂いの原因はなんだろうか。
たまねぎの細胞には揮発性の高いアレルプロピオンという物質が含まれている。 このアレルプロピオンが包丁などで破壊されると大気中に放出されて刺激になるわけである。 これを防ぐ方法は意外と簡単だ。冷蔵庫で予めたまねぎを冷やしておけばよい。こうするだけでアレルプロピオンが揮発しにくくなるので刺激をかなり防ぐ事ができる。
更に徹底的にという人は、冷やしたたまねぎを水につけるとよい。アレルプロピオンは水に溶けやすいので、水にさらせばほとんど匂いはなくなってしまうのだ。
また、包丁の切れ味を保っておくのも大切。不精をしないで、月に一度くらいはちゃんとした砥石で包丁を研いであげるべきである。
スタッドレスタイヤが滑らないわけ

今、冬場のタイヤは猫も杓子もスタッドレスである。
一昔前はどの車も雪の日はチェーンをガラガラ言わせていた。 一見普通のタイヤとかわりがなさそうなスタッドレスだが、なぜチェーンに匹敵するほど滑らないのだろうか。
普通のタイヤと決定的に違うのはその材質である。氷雪上の走行を前提としているスタッドレスはそのために特殊な素材を使っているのだ。
では、そもそも氷の上で滑るのはなぜだろうか。氷が滑るわけではない。氷と物体との間に生じた水で摩擦がなくなるから滑るのである。 スケートも靴のブレードと氷の間で生じた摩擦熱によって水を生じさせ、それで滑っているのだ。つまり、氷から水をなくしてしまえばいいわけである。
そこでスタッドレスは実に大胆な方法をとっている。水をタイヤに吸収させてしまおうというわけだ。 そのためにスポンジ状の素材が開発された。そこに工夫を加え、タイヤに気泡を入れて吸収性をよくしたり、メーカーによってはクルミなど植物繊維を混ぜたりもしている。 植物繊維が走行中にこそげ落ちればその部分に細かい穴ができ、それが水を吸収してくれるというわけだ。
また、横溝が多いのも注目に値する。この溝は表面に発生した水を排出してくれるのだ。
スタッドレスをよく見ると普通のタイヤよりも横溝が多く深いのが分かる。
このタイヤのおかげで雪道が随分楽になったのは確かだが、油断するととんでもない目にあいかねない。 くれぐれも安全運転を。
地磁気はどうやって発生しているのか

空気や水と同様、普段気にもとめないが意外に恩恵にあずかっているものというのは結構ある。 例えば地磁気だが、これがないと山登りで遭難者続出、船も行方も絶ちまくるだろうしワタリドリだって迷子になってしまう。
当たり前のように地磁気のお世話になっているわけだが、はたと思えば一体どうやって発生しているのだろうか。
「地球が巨大な磁石になっていて・・・」そんなのは答えになっていない。問題はどうやって地球が磁石になっているのか、である。実はこれは専門家の間でもよく分かっていない。もっともらしい顔して説明することはできるだろうが、地球内部の事が手にとるように分かるはずないのである。 だがそれでは身もふたもないのでもっともらしい顔をした説を一つ。
地球は大きく地殻、マントル、核の3部分から構成されている。中心近くは約6000度もあり、流動体状になっている。※ その中心部分を構成しているのは鉄やニッケルなどの金属だが、それらが地球の自転によってかき回され、それによって地磁気が発生するというのだ。これをダイナモ説という。ダイナモというのは発電機のことで、自転車のライトをつけるときに回るアレである。
ところで、他の天体、例えば月にも磁気はあるのだろうか。アポロ宇宙船によって月にも磁気がある事が確認された。だが、月の磁気と地球の磁気の構成は違うようだ。月の中心部に地球と同じような高温流動体を見出すことはできなかったからだ。 というわけで、ぶっちゃけた話よく分かっていないのである。
※中心点は地表の300万倍近い圧力がかかるため固体化しているといわれている。
ガラスは固体ではない!

窓、コップ、灰皿に電球とガラスの用途は非常に広い。 だが、雑学の好きな人はどこかで目にした事があるかもしれないが
、ガラスは固体ではなく液体と定義されている。
「どこからどうみても固体じゃないの。硬いんだから」と思われるかもしれない。
そこが雑学の面白い所であるが、ガラスはつまり非常に粘度の高い液体なのである。もともと液状だったガラスが冷えておなじみの硬いガラスになるわけだが、ガラスには液体から固体に変化する際の明確な変化がない。 鉄などは固化するときに結晶になるが、ガラスにはそれがないのだ。液態と固態の間が区別できないのだから、とりあえず液態にいれてしまったと考えれば分かりやすいだろう。
ちなみに古い教会のステンドガラスなどは下の方が少し厚くなってくるそうだ。徐々にガラスが「垂れて」きているのである。
洒落たグラスで酒など飲み交わす時にはこの話をしてやると盛り上がるかも知れない。
伝導率が最も高い金属は?

金は錆びにくいしほとんどの薬品にも腐食されない。また伝導率も非常にいい。そんなわけで伝導率が高い金属というと金を真っ先に思い浮かべる人が多い。
だが残念ながら金は最もよく電気を通すわけではない。 では最高のものは何かというと、一ランク落した銀である。
銀は電気だけでなく熱の伝導率も最大だ。 抵抗率を金と比べてみると、2.35μΩ(マイクロオーム)の金に対し銀は実に1.59μΩである。
ちなみに最もよく電線に使われている銅は1.673μΩで意外なことに金よりも抵抗が低い。
だが、クルマのエンジンに使われているハイテンションコード、高性能のものは「金メッキ」となっている。しかし効率から言えば銅100%の方が性能がいいことになってしまわないか?
実は、純粋な状態では銅の方が確かに抵抗は少ない。が、銅は空気にさらされて酸化すると性能が落ちてしまうのである。 そこで、空気と反応しない金の方が結果的には低抵抗になるというわけである。 さすがに、貴金属の王者である。
プテラノドンは恐竜ではない

誰かに「すぐに思いつく恐竜をいくつかあげてください」と言ってみよう。
大体の人がすぐあげるのがティランノサウルス、トリケラトプス、ステゴサウルスにプテラノドン、ブラキオサウルスなどである。
これらは非常にオーソドックスな恐竜だが、この中に一匹だけ仲間外れがいる。それはプテラノドン。実はこれは翼竜であって恐竜ではないのだ。「翼竜って恐竜の一種じゃないの?」と考えたあなたは正解から遠くない。翼竜と恐竜は親戚の様なものである。
ではまず恐竜の定義とはなんだろうか。「爬虫類で骨盤の形が龍盤目もしくは鳥盤目に属する古代陸生の脊椎動物」ということができる。 こう書くとなんだか難しそうなのでちょっとワニを例にあげよう。ワニを恐竜だと言う人はいないが、なぜワニは恐竜ではないのだろうか。それは、足のつき方のせいである。ワニはいわゆるがにまたで、体の横から肘を曲げたように足がついている。これにたいし例えばトリケラトプスはサイと同じように足が体に対して垂直になっている。これが鳥盤目の特徴だ。 龍盤目はティランノサウルスが典型的な形。 セグノサウルス類などごくわずかな例外はあるが、ほとんどの恐竜がこの定義に収まるのである。
恐竜は陸生であることも条件なので海に棲むプレシオサウルスや日本で発見されたフタバスズキリュウなどの首長竜、イクチオサウルスなどの魚竜も恐竜の範疇から外れる。当然、ネッシーもこれでもかというほど恐竜ではない。
・・・高校のとき国語でブラッドベリの「霧笛」という作品をやった。巨大な海生生物が灯台を仲間だと思ってやってくるという話だが、先生が「これはつまり恐竜・・・」といった。
居眠りしていた私はその言葉にだけは鋭く反応して「センセイッ首長竜は恐竜じゃありません!」と突っ込み上記の定義を述べた記憶がある。 思えばかなりヤな生徒だったものだ。
ゴジラの歩き方の間違い

ここでいうゴジラはハリウッド版ではなく昔ながらの火を噴くやつのこと。
まああの生物、ちょっと考えただけで間違いだらけなのだが、その中でも歩き方に注目したい。
ゴジラは大地を踏みしめ尻尾を引きずりながら歩くが、これは現在の学説では否定されている歩行スタイルだ。だが、ゴジラが生まれた当時はあの歩き方が是とされていた。その頃の恐竜のイラストや田宮から発売されている恐竜模型などからもそれが窺える。
では今の歩き方はというと、ジュラシックパークなどに出てくるティランノサウルスなどの、あれが現在正しいとされているスタイルだ。尾から頭まで水平に伸ばし、尾で体のバランスをとって歩いたと考えられている。 その意味ではハリウッドゴジラはもちろん正しい歩き方をしていると言える。
日本版ゴジラもいつかまともな歩き方に進化するときがくるのだろうか。
なぜ右利きが多いのか?

人間の実に90%が右利きだといわれている。大きな数字だが、裏を返せば10人に1人が左利きであるということだ。動物にも利き腕がある種類がいるが、その数は半々だそう。
これには大きく分けて二つの説がある。一つは、人間は昔槍などを使って戦闘する際、心臓のある左側を守るために左手で楯を持ち、右手で武器を持つようになり、その結果武器を扱う右手の機能が発達し右利きになったとする説。
もう一説は人間は左脳が発達しているために、左脳とつながっている右腕が優位になったというもの。
しかし私の個人的な考えを言わせてもらえば、現在右利き優位の社会だからではないかと思う。身の回りに右利き用に作られた製品が圧倒的に多いのだ。 右利きの人が多いから右製品が登場したというよりむしろ右製品が多いから右利き優位にあると思うのだが・・・
ただし、古代の壁画などは私の知る限り右手で描かれているようだ。
ガンになる仕組み

日本人の死因のトップ3に必ず入っているのが悪性新生物、すなわちガンである。 色々な治療法がメディアで取り上げられているものの、特効薬はまだないようだ。 だが、ガンになる仕組みは最低限知っておきたいもの。知っているだけでちがうことは随分ある。
人の体では毎日新しい細胞が作られている。細胞は遺伝情報をコピーして作られるが、この時にエラーが発生してしまう事がある。焼いたCD−Rも時々読めなくなったりする事があるがあれと同じことだと考えてもらえばよい。 細胞をコピーするときエラーが出る原因はCDと同じく、傷だ。煙草を吸うと咽頭ガンや肺ガンになりやすいのは煙草によってその部分の細胞が痛めつけられるからである。 また、辛いものを食べると咽頭ガンや胃ガンになるといわれる。これは辛さを感じさせる分子構造が尖った形をしていて細胞を傷つけてしまうからだ。 更にウイルス性のガンもある。これはガンを発生させるウイルスがあるのではなく、ウイルスによって傷ついた部分がガン化するという意味だ。
このようなことは日常的に起きているがそう簡単にガンになるわけではない。ガン化した細胞は白血球など体の防御機能によってすぐに排除されてしまうからだ。
だからガンを防ぐには体にダメージを与えない生活をすることが重要。暴飲暴食、煙草などは慎むべき。 そして定期検診を受けること。早期発見ならばほとんどのガンは取り除く事ができるのである。
銀製品が錆びるわけ

銀の指輪やネックレスといえばちょっとおしゃれで高級なイメージのある装飾品だ。金は時としていやみっぽいが、銀はあくまで落ち着いたエレガントな雰囲気を醸し出してくれる。
ところが身に付けたことのある人ならご存知だろうが、銀製品はとかく錆びやすい。それも純度の高いものほど顕著で、指輪などは買ってつけた翌日に錆びが浮いていることもあるようだ。
銀は基本的には安定した元素だが、硫黄と結びつきやすいという性質がある。銀の指輪をつけたまま温泉にはいって真っ黒にしてしまったという方も少なくないのではないだろうか。あれは温泉の硫黄分が原因だ。 普通の状態でも肌との接触が多い指輪は特に錆びやすいが、これはシスティンという硫黄を含むアミノ酸と反応するため。
ではこうした銀製品の錆びをとるいい方法はないものだろうか。市販の錆びとりもあるが、家庭で簡単にできる方法を教えよう。
沸騰したお湯に少々の塩を入れ、銀製品をアルミホイルにくるんで10分煮立たせ、その後さらに10分待つ。これだけでぴかぴかになるそうだ。 錆びるのが怖くて銀製品が使えなかった、あるいはもう錆びてしまったという方は、早速試してはどうだろう。
毒を取り続ければ免疫が出来るか?

体にとって有害なものをわざと少量摂取することによってそれへの抵抗力をつけることができる。「免疫抗体」と呼ばれるものだ。結核や破傷風などのワクチンがそうだし、一度牛痘にかかった人は天然痘にかからないというので昔は牛痘を植えたりしていた。「毒をもって毒を制す」というわけだが、ホンモノの毒、例えばフグのテトロドトキシンなどはどうだろう。
分子量の小さな毒が体内に入ると「薬物代謝酵素」というものが生まれる。この酵素は体内の物質を変化させて他の物質に変え水に溶けやすくしたりする働きがあり、毒を中和してくれる。つまり弱い毒ならば免疫ができてその毒に対する抵抗力もつく。 しかしフグ毒の威力は半端なものではない。強い奴だとわずか0.000005gで人を殺すことができる。少量とかそういう問題ではないのだ。 もちろん青酸カリや砒素などの分子量の大きな毒も無理だ。
結局、もともと即効性の殺傷力があるような毒に対しては有効な免疫を作ることができないようだ。
不思議なグリセリンの結晶

グリセリンはアルコールの一種で化粧品や医薬品、爆薬のニトログリセリンなど工業一般で広く使われている物質だ。
この物質は250年程前に発見されているが、それから数十年間全く結晶化させることができず、結晶化は不可能と思われてきた。
通常液体を加熱してから冷やせば結晶を取り出すことができるのだが、グリセリンに限ってどうしてもできなかったのだ。
しかし19世紀初頭に驚くべき出来事が起こった。一樽のグリセリンがウィーンからロンドンに運ばれる途中突然結晶化したのである。 もちろん世界中の科学者たちがこのグリセリンを欲しがった。ところが、この日から不思議な現象が起こり始めた。世界中の工場や実験室で種の結晶も入れてないのにグリセリンが一斉に結晶化したのだ。製造方法も環境も今までと同じだったので、全世界の研究者が首を傾げたという。
今では17℃に冷やすだけで誰でも簡単に結晶ができてしまう。 後々まで語り継がれることになった珍現象である。
「エイズで死ぬ」は厳密に言うと間違い


これまで人類は様々な病気を征服してきた。 ペニシリンの発見によってしょう紅熱や破傷風などは死に至る病ではなくなった。 結核は十数年前までは死の病と恐れられてきたが、今ではワクチンでかなりの程度予防することができる。 医学の進歩は治らないと思われてきた病気や疾患に次々と打ち勝っている。
だが、1985年ごろに発見され今もって爆発的な増加率を見せているエイズ―Acquired Immune Deficiency
Syndrome、後天性免疫不全症候群―に対する有効な治療法は確立されていない。 エイズは知ってのとおりヒト免疫不全ウイルス、HIVによって免疫系の働きが損なわれる病気である。 ここでエイズの基本的な発症経緯を復習しておきたい。
私たちの体には細菌やウイルス※から身を守る免疫機構があり、それをおもに担っているのが「ヘルパーT細胞」(以下HT細胞)と呼ばれるリンパ球の一つである。HIVはこのHT細胞の表面にあるタンパク質にくっつき細胞内に侵入する。 そして長い潜伏期間―10年ぐらいが平均といわれる―の後そこで自らのコピーを作り増殖し、宿主細胞を破壊して別のHT細胞に侵入、といった経緯を繰り返しどんどん増えていく。 だが、このHIVの破壊活動そのもので死に至る事はない。 問題は免疫機能が低下したことにより起こる「日和見感染症」である。 日和見感染症とは免疫機能が損なわれたことにより普段はなんでもない病気にかかってしまうことをいう。 いわば警察のいない無法地帯と化すのである。
日和見感染症は20以上の種類が知られているが、代表的なものにカリニ肺炎や結核、髄膜炎やヘルペスなどがある。 また日本人はサイトメガロウイルスという失明をもたらすウイルスに感染することも多い。
エイズの感染経路は大きく3っつある。血液感染、性行為による感染、母子感染である。エイズ患者の多いアメリカでは男性同性愛による感染率が最も高い。だが、日本では過去の統計では7割以上が血友病患者であった。 血友病は血液中にある血液凝固因子が足りないため出血するとなかなか血がとまらなくなる病気である。
それを治療する薬としてアメリカから輸入していたのが「非加熱血液製剤」で、これにより血友病患者の感染率が激増した。血液製剤はアメリカで売血によって集められた血液から作られており、血液提供者の中に1人でもエイズ感染者がいればそこから作られた製剤は全てエイズに汚染されてしまう。
日本の血友病患者はこの製剤を使わされ続け、5千人の血友病患者のうちなんと2千人がエイズに感染するという驚怒すべき事態となった。今も彼らはエイズやエイズの発病の恐れと戦っている。
エイズについての正しい知識教育が学校などですすめらているにもかかわらず、エイズ患者に対する偏見や差別はなくなっていない。 エイズは感染力の弱いウイルスなので上に示した3っつの経路以外から感染することはない。日常生活で感染することはなく、患者に対する差別などあってはならないことだ。
そしてもし自分が感染したと思うときはすぐに検査を受けるべきである。 感染していたときも正しい治療を受けるなら発病をかなり遅らせることができる。 また家族や愛する人にうつさないよう自分から予防措置を講じることが必要だ。 感染者の家族ならば必ず支えになってあげなければならない。それと同時に感染を広げないよう注意をすることも大切だ。
いずれにせよ私たち一人一人がエイズについて正しい知識を持ち、感染が広がらないよう努めるべきである。
※細菌とウイルスの違いについては「難しい雑学の解剖」参照。
オゾン層を破壊しているのはフロンではない!?

オゾン層の破壊と地球温暖化といえば世界中が声を大にしている問題である。 とりわけオゾン層は太陽からの紫外線を防いでくれるという重要な役割を担っている。 オゾン層が薄くなって強い紫外線が直接肌に当たるようになると皮膚ガンやその他の病気にかかりやすくなるのだ。
このオゾン層を破壊する元凶といえばフロンガスと思われている。 もちろんこれはこれで間違いではないのだが、厳密に言えばフロンそのものがオゾンを破壊するわけではない。
フロンは空気より重い物質だが、大気の対流によって上空のオゾン層付近まで届く。フロンは安定した物質なのでこのままではどうといことはない。ところが、紫外線に当ると塩素に分解される。この塩素がオゾン層を破壊するのだ。 オゾンはO3つまり酸素分子が3個つながっている物質だ。酸素分子は塩素と結びつきやすく、塩素と次々に結合してしまう。こうして連鎖反応が起こり、1個の塩素分子で1万個ものオゾンを破壊してしまうのである。 しかも塩素は空気より軽いのでなかなか降りてこない。被害は拡大するばかりである。
ちなみに破壊されたオゾン層は少しずつ自己修復する。しかし完全に元通りになるのは50年後とも500年後とも言われ、はっきりしたことはわからない。
一日が遅くなっている!?

私たちが毎朝太陽の光で起こされ、夜は夜で落ち着いた雰囲気で眠ることができるのも地球が自転しているお陰である。
天体の運行の例にもれず、自転は安定しているのでこれを元に時間の基準が決められていた時期もあった。 だが、安定しているといっても完璧ではない。星座の位置が何万年と経つうち変わるように、地球の自転もまた遅くなりつつあるのだ。
地球のみならず宇宙にある星々はほとんど自転しているが、これはいわば回されたコマと同じこと。徐々に回転が遅くなっていつかは止まってしまうのである。
地球ができた頃は、1日が10時間にも満たない程度だった。これが長い年月経つうち延びてきて現在の24時間になったわけだ。 遅くなる割合は100年に1/1000秒ほど。 大したことないと思われるかもしれないが、このせいでうるう年ならぬうるう秒を挿入したりと色々大変なのである。
今からまた何万年もすると、一日の長さは30時間くらいになるかもしれない。時間が立つのが早くて困るという人はその時代に生まれたかった?
電車から飛び降りるときは…

できれば実際にやりたくないことこの上ないが、普通映画などでは電車から飛び降りるとき進行方向に飛んでいることにお気づきだろうか。 進行方向に飛び降りるのはいかにも正しく思える。 同一方向に同速度で進む二つの物体は互いに対して静止状態にある、そんな理論が頭をかすめる。
だがよく考えてみればこの行為は「電車の速度+飛び降りるときの速度」であることに他ならない。当然衝撃は大きくなるはずである。 ではなぜ進行方向にとぶのか?
カメラやビンなど、壊れやすいものをできるだけ衝撃を少ないように電車から投げるにはどうしたらよいだろう。もちろん、進行方向と正反対に力いっぱい投げるのがよい。「電車の速度−投げた速度」で衝撃は少なくなるだろう。 実は、人間でも反対方向に飛び降りた方がショックは少ない。しかしそれでは受身が取れなくなってしまうのだ。進行方向に飛べば前のめりに転がって受身を取りやすい。だが反対に飛べば体は後ろを向いている。倒れるときに危険なのだ。
従って、電車からの正しい飛び降り方は、まず電車の最後尾まで全力で走りジャンプ、それと同時に体を180度回転させる。こうすれば電車の速度を殺せるし着地のときも受身を取りやすいという訳だ。
ただし実際にやって怪我をしても例によって当方は一切責任を負いませんので、あしからず。
磁石はどうして鉄を引き寄せるのか?


素朴だが難しい疑問の典型か。子供の頃から気になっていて、今でもやっぱりよくわからないという方もおられるだろう。 自分の子供に聞かれて困ってしまったという人もいるかもしれない。 確かにこれは少々難しいのである。原子レベルでの働きがあるので子供に聞かれてもなかなか答えられないのだ。ここではその長年の疑問をできるだけわかりやすく解説したいと思う。
永久磁石である棒磁石を適当な長さで切ってみると、両端に再びN極とS極ができる。 こういった実験は学校でやった事があるかもしれない。 そしてこれを更に短く切って・・・ということを繰り返してみる。なんと、砂粒ほどの大きさになっても磁石のままなのである。

磁石のことを「強磁性体」ともいう。強磁性体は磁石もしくは磁石になりうる物質、早い話が磁石にくっつく物である。代表的な金属は鉄・ニッケル・コバルトの3種。 といっても普通は鉄しか目にしないだろう。
ではこれらは他の金属とどこが違うのか?それは原子を構成している電子の回り方。 普通、原子核の周りを電子はランダムに運動している。 そのため電子の位置を特定するのは不可能だ。しかし鉄などの原子では、電子が同じ向きに回転するのである。
例えれば普通の電子は校庭をでたらめに走り回っているのに対し、鉄の電子はトラックを周回している状態だ。 電子が同じ向きに回転し続けると、ちょうどコイルに電流を流したのと同じ現象が起こる。つまり磁場が発生するのだ。 そう、これこそが永久磁石の磁気の正体である。 永久磁石も原子レベルでは電磁石と同じ原理なのだ。
そしてこの原子の向きを同一方向に揃えると、それだけ磁気が強くなり我々が目にする磁石になる。 揃っていないものが釘など普通の鉄※なのだ。
磁石に釘を何本か連ねてくっつける、という実験をご存知だろう。あの状態は釘を構成している原子の向きが一時的にそろって、一時磁石になるために起こる。
ここまでで一応磁石の仕組みは解明したが、しかしここで新たな疑問がわいてくる。 いわく、釘は一時磁石にしかならないのに永久磁石はなぜ磁力を保ち続けられるのか?磁石を熱すると磁力がなくなってしまうのはなぜか? これらの疑問は「難しい雑学」で扱いたいと思う。 磁石は奥が深いのだ・・・
※鉄に限らず強磁性体はみなそうだが、ここでは強磁性体の代表として鉄を挙げた。
電子レンジの仕組み

今ではすっかり調理に欠かせないものとなっている電子レンジ。レンジがなかった時代が想像できなくなるほど当たり前になり、普及している。
しかし、そんな電子レンジが一体どうやって食品を温めているかご存知だろうか。 一見サウナのような光を出す箱の中で食品がグルグル回るだけである。それで温まるのだから不思議だ。 しかも食べ物と離れている容器はほとんど熱くなっていない。
物が温まるという事はその物質を構成している分子の運動が活発になるということである。 普通の状態でも分子は少し運動しているが、コンロなどにかけられて熱エネルギーをもらうと、さらに活発に運動するようになる。 つまり分子を運動させれば温まるわけだ。 なんのことはない、走った後は体が熱くなるのと同じことである。
分子運動を活発にする方法は色々ある。火にかけるのは手っ取り早いし、カナヅチで石を叩くと熱くなる、あれも同じことだ。 電子レンジは「マイクロ波」と呼ばれる電磁波を照射することで分子運動を強めている。 マイクロ波は水の分子に作用し、運動を活発にする働きがある。だから水分を含んだ食品を温める事ができるのだ。 お皿などが温まらないのは水分子があまり入っていないためである。
−まあ、こんなことを知らなくても、今日もママは冷凍食品を笑顔で食卓に出せるのである。
ドライアイスでやけどするはずない

学生のころ給食でアイスが出た事があるだろうか。 私の学校ではアイスの入っている入れ物には必ずドライアイスもついていて、ドライアイスを水の入ったバケツにいれてボコボコ、なんてことをやっていた記憶がある。
そんなときにまことしやかに流れていたのが「ドライアイスに触ると低温ヤケドをする」という噂だった。 冷たいドライアイスでヤケドなんかするのかなと思っても、実際に試してみるのは怖いのと低温ヤケドだと言われるとああそうなんかなと納得してしまったものだった。
だが常識で考えてみればヤケドというのは熱さでできるもの。間違っても冷たいヤケドなんてあるはずがない。二酸化炭素の固体であるドライアイスの温度は摂氏−72℃前後で、我々の身近にあるものの中ではかなり冷たい部類にはいる。 そんなものでヤケドするわけがない。 低温ヤケドというのはこたつでうたたねしたりカイロを長時間同じところに当て続けたりするとなるもので、冷たいからなるのでは断じてない。
従って、ドライアイスを触り続けて起こるのは当然凍傷。極度のしもやけである。
ということはヤケドをしたらドライアイスで冷やすのが一番!?でもヤケドなのか凍傷なのかわからなくなったりして。